六爻占い教室

第6章|旺衰・月建日辰の力の見方

はじめに:動く者は、機(兆し)の先触れなり 六爻の世界において、「静卦(せいか:動きのない卦)」が静止画であるならば、「動卦(どうか:動きのある卦)」は現在進行中の映画です。資料に…

December 25, 2025 · 12分で読めます

はじめに:動く者は、機(兆し)の先触れなり

六爻の世界において、「静卦(せいか:動きのない卦)」が静止画であるならば、「動卦(どうか:動きのある卦)」は現在進行中の映画です。資料には「神(しん)の兆しは動くところにあり」と明記されています。卦の中で6つの爻がすべて静止していれば、月日の影響を見るだけですが、一つでも爻が動けば(「O」や「X」が出れば)、それは事態が劇的に飛躍することを意味します。

動爻(どうこう)は「原因」であり、変爻(へんこう)は「結果」です。動爻は事の始まりとプロセスを表し、変爻は事の最終的な帰着点と結末を表します。動変と回頭生剋をマスターすることは、予測学における「逆転のパスワード」を手に入れることに他なりません。

第一節:動変システムの核心的定義と論理構造

資料「動変章第七」および「動変生剋九章第十五」に基づき、動変の本質はエネルギーの転換にあります。

1. 動けば必ず変わる:老陽から老陰への転換

起卦の際、「裏面3枚(O:老陽)」または「表面3枚(X:老陰)」が出た場合、その爻位は動き出します。

老陽(O): 陽が極まって変じ、陰爻となります。

老陰(X): 陰が極まって変じ、陽爻となります。 この変化によって生まれた新しい爻を「変爻(へんこう)」と呼びます。変爻は元の動爻に対して強力な反作用を及ぼし、この力は『増删卜易』において最高の判断優先順位を与えられています。

2. 動と静の権力階層

資料「動静生剋章第十四」では、非常に分かりやすい比喩が使われています。

動爻: 「歩いている人」のようなもので、他者を攻撃したり助けたりする主導的な能力を持ちます。

静爻: 「座っている人、寝ている人」のようなもので、エネルギーの強弱はあっても、月、日、動爻からの処置を一方的に受けることしかできません。

実戦の鉄則: 卦に動爻があれば、たとえ静爻が旺相(強力)であっても、動爻の力を防ぐことは困難です。動爻は、占った瞬間の強い情報エネルギーが凝縮されているからです。

第二節:因果の最終審判 —— 回頭生と回頭剋

これは『増删卜易』の中で最も衝撃的であり、的中率の高い核心法則です。野鶴老人は、変爻が元の動爻を生剋する力は、月建や日辰の影響よりも大きいことが多いことを発見しました。

1. 回頭生(かいとうしょう):事半功倍、災いを転じて福となす

動爻が動き、変化して出てきた変爻が自分を生じてくれる要素である場合(例:木が動いて水に変わり、水が木を生じ返す)。

実戦的象意: 物事の進展過程で予想外の助けが得られること、あるいは当初は困難に見えた状況が、最終的にはあるきっかけで成功に導かれることを表します。

資料評釈: たとえ動爻が月日で「休囚(弱い)」状態にあっても、回頭生に化せば「根底は壊れず」となり、最終的には必ず成就します。

2. 回頭剋(かいとうこく):功敗垂成、殺意を秘めた結末

動爻が動き、変化して出てきた変爻が自分を剋する要素である場合(例:金が動いて火に変わり、火が金を剋し返す)。

実戦적象意: 極めて不吉な兆しです。始まりは良く、プロセスも賑やかに見えますが、最終的には自分自身の原因や内部の異変によってすべてが崩壊することを表します。

資料評釈: 回頭剋はエネルギーの自滅です。野鶴老人は「用神が回頭剋に化せば、旺相しているかを問わず、すべて凶と断ずべし」と強調しています。今どれほど実力があっても、結末が回頭剋なら、最後には空(くう)に帰すのです。

第三節:生旺墓絶と動変の組み合わせ応用

動爻の変化状態を分類することで、予測に深みが増します。

化長生(かちょうせい)・化帝旺(かていおう): エネルギーが源源と湧き出る状態。求財なら利益が絶えず、病占なら生命力が回復します。

化墓(かぼ): 自分の墓庫に変わること。物事が行き詰まる、意識不明になる、あるいは自由を制限される(入院、拘束など)ことを表します。

化絶(かぜつ): 絶地に変わること。エネルギーが完全に枯渇することを表します。

第四節:動変システムの四つの重要な境界線(権限ロジック)

変爻は自分の親(動爻)に対して絶対的な権力を持つ: 生・剋・沖・合が可能です。

変爻は他爻を生剋できない: 変爻の力は「内向き」であり、自分を生んだ動爻にのみ責任を持ちます。他の爻を攻撃しに行くことはありません。

日月は変爻を制することができる: 変爻が月建に沖し破られれば、回頭生剋の力は失われます。

他爻は変爻を制することができない: 他の動爻が変爻を邪魔することはできません。

第五節:実戦ケースの解析

ケース1:回頭剋の致命的影響(長輩の功名を占う) 卯月の辛巳日、長輩の出世を占ったところ、卦の本体(木)が金(回頭剋)に変わる絶卦が出た。

判断: 野鶴老人は具体的な用神を見るまでもなく「寿命は長くありません」と断じました。結果、その年の七月に亡くなりました。重大な決断における回頭剋の破壊力を証明しています。

ケース2:化進神と回頭生のダブル利好(昇進を占う) 未月の甲午日、昇進を占ったところ、官星(仕事運)が「化進神(かしんしん)」となり、かつ動いて世爻(自分)を生じた。

判断: 一時的な波乱(反吟)はあっても、最終的には連勝街道を突き進みます。結果、十年以内に二度の異動と昇進を果たしました。

第六節:筆者による深度評価 —— 動変における「時空の差」

実戦で非常に重要なテクニックは、「プロセスにおける生」と「結果における剋」を区別することです。 卦の中に「忌神が動いて元神を生じ、元神が動いて用神を生ずる」という形が出ることがあります。これを「連環相生(れんかんそうせい)」と呼びます。

現代的解釈: あなたをいじめようとする同僚(忌神)がいても、上司(元神)がそばにいるため、自分を良く見せようとして、仕方なくあなたを助ける動きに転じるようなものです。この連鎖が途切れない限り、吉となります。

第七節:回頭剋への「趨吉避凶(すうきつきょう)」ガイド

もし「回頭剋」を占ってしまったら、どうすべきでしょうか?

火の鬼: 火災、炎症、法的トラブルに備える。

水の鬼: 水難、循環器系の問題に備える。

空間移動: 克神が内卦にあれば外へ逃げ、外卦にあれば内にこもる。資料には、占いで回頭剋が出たために出発を遅らせ、難を逃れた事例が記されています。

第八節:本章の高度実戦まとめ

動は始まり、変は終わり: 動爻は事の端緒、変爻は事の帰宿である。

生剋優先順位: 回頭生剋は、月日の影響さえ凌駕しうる「最終判決」である。

趨勢判断: 化進神は拡大・持続、化退神は縮小・消滅。化回頭生は外部の強力な支え、化回頭剋は内部構造の崩壊。

動静の非対称性: 動爻は静爻を制圧できるが、静爻は反撃できない。

結び

動変と回頭生剋は、六爻予測を「静的な分析」から「動的なシミュレーション」へと進化させる鍵です。運命は固定されたものではないことを、これらの法則は教えてくれます。動爻を通じて「転機」を、変爻を通じて「結果」を見据えることができるのです。

次章予告: 「第七章:構造の張力:六合、六沖、三合局と応期の精緻な推算」。なぜある病気は「沖(ちゅう)されれば即座に治り」、ある協力関係は「合(ごう)しても必ず散る」のかを解析します。

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